”伝えたいこと”を伝わるように。色々な瞬間に立ち会えるのが「音楽」の魅力
2017/04/17
今回は会いに来るバイオリニストとしてご活躍中の阿部志織(あべ しおり)さんにインタビューをさせていただきました。プロのバイオリンとしてのご活躍に加え、ミス・ワールドジャパン2014ファイナリストとして大舞台に出たこともある阿部さんですが、今回はバイオリニストとしての一面をインタビューさせていただきました!
「生演奏を身近に」というコンセプトで、会いに来るバイオリニストとして活動中です。コンサートホールに足を運ばなくても、もっともっと多くの人に音色を楽しんでほしいという思いから、生演奏の宅配サービスをしています。中高年の男性を中心とした、かっこいいオヤジになる為のバイオリン教室「Ginza el Majesta(エルマジェスタ)」を創設し指導者としてバイオリンに携わることもあります。
女性音楽家が結婚しても出産しても音楽活動が続けられる仕組みを創るというミッションのもと、生演奏を披露するウーマンオーケストラも昨年末に結成しました。
生演奏を届けている想いのひとつとして、音楽によって人にプラスの影響を与えることを知っているからです。例えばオフィスビルでランチタイムのコンサートをさせていただいたことがあるのですが、そのとき聴いてくださった方々から「モチベーションが上がるよ!」「疲れていたけど癒されたので、また頑張れる!」という声をいただきました。
また、歌を一緒に歌うと脳内が活性化されるということで、以前に介護施設で演奏させていただいたこともありました。そのときは日本の童謡、例えば「川の流れのように」や「ふるさと」を演奏して、一緒に歌っていただいたのですが、楽しそうにしてくださったり、目を閉じていた方が見開いたり…音楽というものを通して、人々を動かし、喜びを生み出していると感じました。
そのほかにも、新橋のSL広場で生演奏のコンサートをしたこともあります。
音楽に触れるのなら、CDをかけるという選択肢もある中で、わざわざ自治体の方がコストをかけて呼んでくださったのは、アーティストの生演奏によって街が活気づくという、社会的な影響があるからだと思うのです。
いつもはただ通り過ぎる広場で足をとめ、実際に見ながら聞くことができる体験型のコンサートは、集まる場ができ、癒しや楽しみなど波及する影響があるからだと音楽の価値を実感しました。
田苑さんの曲は、朝起きたときに聞きたくなるさわやかな曲がかかっていますね。これ以外ではモーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハトムジーク 第一楽章』がイメージにピッタリだと思います!
流れてくる音楽で雰囲気は変わりますよね。
例えば私は、自宅でお掃除をするときにアップテンポの曲をかけてリズミカルにこなしたり、お料理をするときはボサノバ系のカフェミュージックをかけて、カフェのお料理をイメージしながら気分を乗せてつくっています。寝る前はα波のヒーリングでリラックスをしたり。
自分の感情を音楽によって変えているんですよ。お酒もかけている音楽が、お酒をその曲のイメージに合うものに変化させるのではないでしょうか。田苑さんのお酒は、さわやかな音楽を聴いているので、従来のお酒から「品格」というものを得られるようになっているのだと思います。お酒だけではなく人でも、これらの音楽を朝起きてから流したら、その日1日をさわやかに、品のある立ち振る舞いができそうです!
そういえば以前、水の結晶がモーツァルトなど心地のよい音楽を聴くと綺麗な結晶になると聞いたことがあります。お酒もそれと同じ原理で樽の中でお酒とクラシックが共鳴し合い、味わい深さを奏でているのかもしれませんね。
人々の琴線に触れるような音は、身体が無条件に反応します。良い音と上手な音の違いはここにあると思います。
見ず知らずの小学生の演奏でも、鳥肌が立つ演奏に出会ったこともあります。それは、演奏している小学生たち、それを聞くオーディエンスとの一体感が、〝良い音〟を鳴り響かせ、会場全体がひとつになっていく感覚、共鳴させていた感動的な体験でした。
そうした人々が鳥肌を立たせるくらい〝良い音〟を生み出すには、その場にいる人やモノとの一体感が、感動を生み出せるかどうかでとても重要になります。ひとりでどんなに真剣に練習をしていても、鳥肌は立たないんですよね。
だからこそ、今後も会いに来るバイオリニストとして、多くの方々に生演奏を提供し、一緒に鳥肌が立つような感動のシーンを創り出していきたいです。
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