違いがわかるヒトに!日本酒と焼酎を違いをスッキリ解説

世界に誇る日本のお酒、日本酒と焼酎。どちらも漢字やひらがなの名前が多く、店頭では隣に並べられていることもあって、まぎらわしいかもしれません。でもラベルをよく見ると、日本酒には「清酒」または「日本酒」、焼酎には「本格焼酎」など「焼酎」という文字が表示されています。

目次

  1. 焼酎、日本酒が生まれたストーリー
  2. 焼酎は「蒸留酒」、日本酒は「醸造酒」
  3. 焼酎と日本酒の共通点
  4. 焼酎と日本酒の原料米の違い
  5. 焼酎と日本酒の麹菌(こうじきん)の違い
  6. 焼酎と日本酒の麹菌(こうじきん)の違い
  7. 焼酎と日本酒の仕込みの違い
  8. 焼酎と日本酒の熟成の違い
  9. 焼酎と日本酒の飲み方の違い

焼酎、日本酒が生まれたストーリー

日本酒が米を原料に造られているのは、ご存じかと思います。起源は定かではありませんが、水稲が渡来した弥生時代から米の酒が造られていたと推測されています。

焼酎は、さつま芋や麦を原料にしたものが大半ですが、米や蕎麦、黒糖の焼酎もあります。製造技術は15世紀頃にシャム国(タイ)から琉球を経由して鹿児島に伝来したというのが定説です。

焼酎は「蒸留酒」、日本酒は「醸造酒」

日本酒と焼酎の決定的な違いは、「醸造酒」か「蒸留酒」かという点。ものすごく簡単に言うと、日本酒は、米を発酵させて造った「醸造酒」。焼酎は、さまざまな原料を発酵させて造った醸造酒をもとに、蒸留という工程を経た「蒸留酒」です。

蒸留酒は、醸造酒から造られるわけです。では、焼酎は、日本酒から造られているのかと言うと、少し意味合いが違ってきます。確かに日本酒を蒸留すれば米焼酎ができるのですが、日本酒はそのまま飲むように造られた完成品であり、実際の焼酎は蒸留することを前提とした醸造酒から造られています。米やさつま芋や麦を原料とした醸造酒から造られるのです。

焼酎と日本酒の製造方法を比べてみましょう。

 

焼酎と日本酒の共通点

共通しているのは「麹菌」と「酵母」という2つの微生物を活用することです。東アジアの酒造りの大きな特徴で、ワインやビール、ウイスキーなどには見られません。

まず、麹菌が蒸した米や麦の中で酵素を造り出し、この酵素が原料のでんぷんを分解してブドウ糖に変えます。次に酵母がブドウ糖を食べてアルコールを造ります。酵母はでんぷんから直接アルコールを造ることはできません。麹菌の酵素による糖化と酵母によるアルコール発酵が、ひとつの容器の中で同時進行していくのです。

 

焼酎と日本酒の原料米の違い

日本酒や米焼酎の原料はもちろん米ですが、その他の焼酎も麹原料には米を用います。ただし、焼酎に使う米が食用米であるのに対し、日本酒に使うのは酒造専用の米。食用米より粒が大きく、それを70%くらいの大きさまで精米して使います。米の外側にはタンパク質や脂肪が多く含まれ、日本酒ではそれが雑味となってしまうので外側を削るのです。場合によっては50%〜30%まで精米されることもあります。

 

焼酎と日本酒の麹菌(こうじきん)の違い

麹菌にも違いがあります。日本酒では「黄麹」が使われ、焼酎では「黒麹」や「白麹」が使われます。黄麹は、冬に仕込みが行われる日本酒造りには適していますが、気温や湿度の高い環境には適していません。そこで、もともとは沖縄で泡盛の製造に使われていた黒麹を用いて、南九州で焼酎造りが盛んに行われるようになりました。白麹は、黒麹から生まれた変異種です。

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■焼酎の「黒麹」「白麹」

 

焼酎と日本酒の仕込みの違い

仕込みは、麹、主原料、酵母、水で行います。酵母にはたくさんの種類があり、焼酎も日本酒も求める酒質によってそれぞれの蔵が使い分けています。

焼酎の場合、ここで仕込む主原料によって、芋焼酎、麦焼酎、米焼酎などに分類されます。詳しい仕込み方についてはまたの機会としますが、もちろん焼酎と日本酒では仕込み方が異なります。酵母がブドウ糖を食べ尽くしてアルコール発酵を終えるまでには、日本酒も焼酎も約3週間を要します。

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決定的な違い

アルコール発酵を終えた「もろみ」はドロドロとして濁っています。アルコール度数は、日本酒が約19%〜20%。焼酎は主原料によって異なり、約14%〜20%です。

そして、いよいよここからが決定的な違い。

日本酒は、もろみを搾って清澄な液体にし、一般的には加熱して微生物の働きを止めたのち、水を加えてアルコール度数15%程度に仕上げます。

焼酎は、もろみを蒸留して透明な液体にします。アルコールの沸点が水より低いことを利用し、もろみを加熱してアルコール成分を優先的に気化させて取り出し、それを冷却して再び液体にするのです。こうすることによって、不純物や雑味の原因は取り除かれ、原料に由来する香味を含んだ焼酎が生まれます。

蒸留した焼酎原酒のアルコール度数は、芋焼酎で37〜38%、米焼酎では42〜44%もあります。これに加水して、一般的には25%に仕上げます。

 

焼酎と日本酒の熟成の違い

日本酒は搾りたての新酒から飲まれ、特殊な貯蔵酒を除いて一般的には1年以内に消費されます。糖分を含み、焼酎に比べて味や香りの成分が多いので、時間の経過とともに品質が劣化する心配もあるからです。

焼酎は糖質ゼロで、貯蔵することで熟成が進み、コクとまろやかさが増していきます。蔵ごとによりよい熟成のための貯蔵方法が工夫されており、中には3年以上貯蔵された焼酎も。3年以上貯蔵された焼酎を50%以上使った製品のラベルには、「長期貯蔵」と記されています。

 

焼酎と日本酒の飲み方の違い

アルコール度数15%前後の日本酒は、そのままストレートで味わいます。常温で、冷やして、燗してと温度はさまざま。製造方法の工夫によって異なる味わいや香りが楽しめます。

アルコール度数25%の焼酎は、オンザロック、水割り、お湯割り、炭酸割り、各種サワーなど好みに合わせてさまざまな飲み方ができます。さつま芋や麦、米、黒糖といった原料に由来する香味がおいしい「本格焼酎」はシンプルに飲まれ、糖分や果汁などを加えてサワーにされるのは、そのままでは無味無臭に近い「甲類焼酎」です。

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