違いがわかるヒトに!日本酒と焼酎の違いをスッキリ解説
2016/05/15
世界には、数え切れないほどの酒があります。毎年発行されている「世界の名酒事典(講談社)」という厚さ4センチ近いカタログ雑誌を見てみると、数年前までは1万3000点もの酒が収録されていました。
あまりに多過ぎるためか近年は掲載製品が絞られてきていますが、実際、世界にはこの雑誌に載っている数の何十倍もの銘柄があると言われています。
しかし、これらを銘柄ではなく酒の種類で数えてみると、思いのほか多くはありません。大別するとたった3種。ていねいに分けてもせいぜい15種ほどです。
つくり方から3つに大別すると、
すべてに共通しているのは、エタノール(エチルアルコール)が含まれていること。日本では100ml中に1ml以上のアルコールが含まれている飲料を酒類と定義しています。アルコール度数で言うと1%以上ということです。
で、このエタノール(エチルアルコール)とやらは、原料に含まれる糖質が微生物である酵母の働きによって分解された際に生成されます。これをアルコール発酵と言います。
アルコール発酵によってできた酒が「醸造酒」。
その醸造酒を蒸留したものが「蒸留酒」。
蒸留とは、醸造酒を熱して気化させ、再び液体に戻すこと。そうすることでアルコール分が濃縮され、醸造酒よりアルコール度数が高くなります。
そして3つめ、醸造酒や蒸留酒に香りや味をつけたものが「混成酒」です。
焼酎は「蒸留酒」の仲間。ブランデー、ウイスキー、スピリッツ類(ジン、ウォッカ、ラム、テキーラなど)と同じ分類になります。
では、米焼酎は日本酒を蒸留したものなのかというと、そうではありません。焼酎は日本酒から派生したものではなく、弥生時代からつくられていたとされる日本酒に対し、15〜16世紀頃にタイから中国、琉球を経由して伝来しました。同じ日本の酒でも、そのルーツはまったく違うのです。
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