田苑焼酎×Jソースで至高の晩酌 その1(ブルドックソース編)
2021/09/28
日一日と深まりゆく秋。朝夕などは肌寒いほどの日もありますが、鹿児島では今、どこの焼酎蔵にとっても大切な時期です。8月頃からはじまった芋焼酎の仕込みが終わり、新酒が出来上がりました。
サツマイモは、収穫後、少し貯蔵した方が糖度が増す品種が多いのですが、芋焼酎の原料として最もよく使われるコガネセンガンは違います。傷みやすく、鮮度によって焼酎の味が大きく左右されます。だから、コガネセンガンを使った芋焼酎は、限られた時期にしか仕込むことができないのです。
一般的に蒸留酒は、蒸留したのち一定期間熟成させてから出荷されますが、芋焼酎には蒸留したばかりの新酒を楽しむ歴史があります。蒸留したてという意味で、鹿児島では「煮たて」と呼ばれ、その独特の味わいが愉しまれてきました。
その年度初の酒造りが成功したことに感謝し、披露する意味もあるのでしょう。「今年もいい酒ができました。ありがとう」「熟成を経て、これからさらにいい味になりますよ。ごひいきに」。そんな思いを込めて、蔵元では新酒祭りを開催し、地域の方々や得意先を招いて、縁起のいい煮たてを振る舞ったりもします。
貯蔵熟成を重んじるワインにもボージョレ・ヌーヴォーがあるように、「煮たて」はまさに焼酎のヌーヴォーです。貯蔵すると徐々に深み、丸みのある味わいへと熟成されていくのですが、「煮たて」はやはりこの季節にしか味わえないという特別感が魅力でしょう。
各蔵から新酒が出るのが10月下旬から11月初旬であることから、日本酒造組合中央会によって11月1日が「本格焼酎の日」に制定されています。また10月は「神無月」ともいうように、日本中の神様が出雲大社に集まって留守になってしまう月であり、11月1日は神様が鹿児島へお帰りになるめでたい日でもあるのです。
この本格焼酎の日に合わせて、例年、各地でさまざまな焼酎イベントが開催されてきました。コロナ禍でしばらく休止していましたが、今年は4年ぶりに復活!11月1日~3日までの3日間、鹿児島一の繁華街・天文館には、県内の100以上の蔵元が集結する「焼酎ストリート」が登場します。2日・3日は鹿児島の秋の風物詩「第72回おはら祭」も同時開催とのことですので、大いに盛り上がるでしょう。もちろん当社も出店します!
また、毎年ご好評いただいている『DEN-EN nu:vó(煮たて)』を今年もご用意いたしました。その年のサツマイモの出来を見極めて、掛け合わせる麹やブレンド比率を変えているため、この味わいが楽しめるのは今だけ。今年は黒麹のみで仕上げることで、新酒らしい造りたての力強さと芋の甘み、香ばしさのバランスのとれた風味に仕上げています。
海から、山から、里から、いろんな幸が届けられる日本の秋。おいしいごちそうと一緒に、水割りやロックで。肌寒い夜にはお湯割りで。焼酎ヌーヴォーを楽しみましょう!
季節限定、完全数量限定の焼酎ヌーヴォー『DEN-EN nu:vó(煮たて)』解禁!
https://item.rakuten.co.jp/denen-shuzo/c/0000000153/
<参考文献>
焼酎 一酔千楽 著/鮫島吉廣 発行/南方新社
鹿児島の本格焼酎 著/鹿児島県本格焼酎技術研究会 発行/春苑堂出版
いも焼酎の人々 著/大本幸子 発行/TaKaRa酒生活文化研究所