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2017/07/18
「焼酎のお湯割りってお酒っぽさが強くて飲みにくい!」。焼酎を飲み始めたばかりの人はそう思って苦手意識ができてしまうかもしれません。でも焼酎のお湯割りは体も温まり、もっとも原料の香りを感じられる飲み方。お湯割りの正しい作り方を知って、焼酎の奥深さを味わいましょう!
お湯割りが美味しく飲めるお湯と焼酎の黄金比率、知っていますか?ポイントは温度とアルコール度数のバランスです。アルコール度数のバランスはロクヨンと呼ばれる、焼酎とお湯を6:4で注ぐ方法がスタンダード。
6:4で注ぐとアルコール度数が15度前後になって日本酒と同じくらいの度数になるので、お酒を楽しみたい時にちょうどいい比率です。他には、5:5にすると12度前後でワインくらいの度数になり、食中酒として飲むのにぴったりな比率に。4:6にすると香りが薄めで苦手な人でも飲みやすくなります。
焼酎のお湯割りがもっとも美味しく飲める温度は50〜40度の間と言われています。お湯割りといったら熱々というイメージもありますが、実際は常温よりも少し温かいくらいの温度です。
50度だと辛みがピリっとくるハードな呑み口になり、40度だと焼酎の甘みが引き立ちまろやまな味わいに。温度調節の目安は、沸騰したお湯を一度コップに注いで、別のコップにお湯を移し、その上から焼酎を注ぐとちょうどいい40度前後の温度になります。
焼酎を最初に入れて熱湯をその上から注ぎ入れる人が多いですが、沸騰したお湯を焼酎に注ぐとアルコールや風味が飛んで角が立った味になってしまうので注意が必要。焼酎をお湯の後から入れることで冷たい焼酎は下に、温かいお湯は上層に上がってきて対流ができるので自然と混ざって香りも立ちやすいです。
お湯割りは香りを楽しむのにぴったりの飲み方なので、芋焼酎なら濃厚な香りのもの、米焼酎なら一癖ある個性的なものを選ぶといいでしょう。麦焼酎ならクセのないクリアな味の銘柄と梅干しを合わせるのもオススメです。
お湯割りは若い世代には馴染みの薄い飲み方ですが、冬に飲めば体が温まってほっとしますし、冬以外にも温かい飲み物は疲れた胃にやさしいです。とくに夏はキンキンに冷えたビールや夏野菜などの体を冷やす食べ物で芯から冷えてしまいがち。そんな疲れた体にも温かい焼酎のお湯割りは沁みますよ。
また、お湯割りは水割りと比べて香りや甘みが増して素材の味を感じやすい飲み方です。焼酎の香りはアロマテラピー効果があるという研究結果があり、ストレス軽減や血栓症の予防も期待できます。焼酎の香りでリラックスして晩酌を楽しむのもおすすめです。
焼酎にはお湯割りと似ている飲み方で「燗」で飲むという方法があります。日本酒の熱燗と同じように、火にかけて温める方法です。焼酎の燗酒の飲み方は鹿児島の酒器である「千代香(チョカ・ジョカ)」に水と焼酎を2、3日なじませたものを入れて火にかけます。
水と焼酎をゆっくりと“とろ火”で火にかけていくので雑味が飛んでまろやかな味わいです。千代香は土瓶なので、使うごとに器に焼酎の味がなじんでいきます。使用後は水で洗わないで焼酎の味をしみ込ませていくのが本格的な使い方。酒器を育てていく楽しみがある、焼酎通に人気の飲み方です。
お湯割りはおじさんのイメージ…という若い女性もいるかもしれません。しかし、焼酎のお湯割りは女性にこそおすすめ。冷たいお酒を飲み過ぎると体を冷やしてしまうので、お湯割りを美味しくアレンジして体を温めましょう。
お湯割りといえば梅干しを入れる人も多いですが、お湯を緑茶に変えても相性抜群。寝る前に一杯飲むのにもちょうどいいですね。和のフルーツとして有名なゆずをお湯割りに絞り入れても爽やかな香りになりますよ。
お湯割りを作るとき、水道水と焼酎を混ぜて電子レンジで温めることもできますが、電子レンジで中途半端に温めると冷めやすく水に刺々しさが出てしまうようです。水と焼酎というシンプルな組み合わせだからこそ素材にこだわってみましょう。ミネラルウォーターを使って、やかんでお湯を沸かすと本格焼酎の味をより引き立てることができますよ。水の種類は軟水のほうがまろやかになって焼酎に相性がいいとされています。
また、備前焼など内側がざらざらしたコップで飲むとマイルドな口当たりになります。1つ1つの行程にこだわることで味わいもお酒の楽しみも広がっていきますよ。
ほんの些細な違いでも、一工夫しただけで飲みやすさが変わってくるもの。作り方や飲み方に気を使えば、お湯割りに対する印象が変わるかもしれません。