学会発表! 焼酎に血糖値上昇を抑える力!!
2016/11/14
ヘルシー志向の女性に人気のドライフルーツ。低カロリーで、ビタミンやミネラルも豊富といいことずくめのこの食品、積極的に取り入れていきたいですよね。だったら朝食やおやつとしてだけでなく、お酒のおつまみにしてみてはどうでしょう?
「でも、お酒とドライフルーツって相性はどうなの…?」と疑問を持った方も多いはず。そこで、専門店の方に詳しいことをお伺いしてみました。
「お酒を飲む際に甘いものは欲しくない、と敬遠される方もいらっしゃいますが、お酒とドライフルーツの相性は意外と良いんですよ」
そう教えてくれたのは、上野アメ横で創業60年以上の歴史を持つ、ドライフルーツとナッツの専門店「小島屋」の3代目店主・小島靖久さん。大のお酒好きで、各種お酒とドライフルーツの相性を日々研究しているのだそう。
田苑酒造としては、やはり焼酎とドライフルーツの相性が気になるところ。さっそく焼酎と相性の良いドライフルーツについて伺ったところ、なんと焼酎に関してはまだ未調査とのお答えが…。
これは焼酎メーカーとして黙っていられません! うちの焼酎に合うドライフルーツを教えてもらうべく、大試食会を開催させていただきました。
今回は小島屋さんから店主・小島さんとスタッフの関野美代さんの2名、田苑酒造からは女性社員の中森、福島の2名が参加。田苑酒造を代表する焼酎7種類とドライフルーツの相性診断を行います。
約4時間の長丁場となった大試食会の結果、導き出されたベストな組み合わせを参加メンバーのコメントとともに発表します!
マリアージュ01
【田苑 ゴールド】のロック×【イチジク(イラン産)】
3年以上に渡る樽貯蔵ならではの芳醇な香りと、美しい黄金色が特徴の麦焼酎『田苑 ゴールド』。ロックで味わった際に最も相性が良かったのは、イラン産の「イチジク」。
「この焼酎はウイスキーのような味わいがありますね。足りないのは甘みかな? そこを補えるドライフルーツがピッタリきます。合わせるならイラン産のイチジクですね」(小島さん)
イラン産のイチジクは淡い甘さとクセのなさが特徴。同じイチジクでも、酸味の強いトルコ産とは相性がいまひとつでした。産地によっても、こんなに違いが出るとは驚きです。
マリアージュ02
【田苑 金ラベル】のソーダ割×【マジョールデーツ】
『田苑 金ラベル』は樽熟成による豊かな味わいと、まろやかな口当たりで人気の長期貯蔵麦焼酎。こちらのソーダ割、通称“金ハイ”と相性抜群だったのは、アメリカ産の「マジョールデーツ」。
デーツは“自然のキャンディー”と呼ばれるほど、しっかりとした甘みを持つフルーツ。中でもアメリカ産の「マジョールデーツ」は水分量が多く、ねっとりとした黒糖のような甘さが特徴です。
「ソーダで割ると、ハイボールのような感覚で飲みやすいです。炭酸が口の中を洗い流してリセットしてくれるので、デーツのような甘みの主張が強いものが合いますね」(小島さん)
マリアージュ03
【田苑 白ラベル】のロック×【オクラ】
『田苑 白ラベル』は白麹を使用した上品かつ穏やかな香りと、のびやかですっきりとした味わいを持つ麦焼酎。主張を抑えたクセのない味は、合わせる相手を選ばないかと思われましたが、意外にも相性診断は難航。
いちばん相性が良かったのは、小島屋さんが特別枠として提案してくれた野菜チップスの「オクラ」。
「麦の甘みが感じられる焼酎なので、逆に甘みのない、適度に塩気のあるものが合うんじゃないかな」(小島さん)
「白ラベルは逆に何でも合ってしまうのではと思っていたんですが…。難しかったです…。オクラはどこかホッとする素朴な味わいがいい相性ですね!」(田苑酒造・福島)
小島さんからは、ストレートで飲むと「リンゴ」が抜群に合う、とのご意見も。試してみると、麦の甘みとリンゴの酸味が絶妙にマッチします。ロックとストレート、飲み方でも相性が変わってくるものなんですね。
マリアージュ04
【田苑 黒ラべル】のロック×【アプリコット(アメリカ産)】
『田苑 黒ラベル』は黒麹によるコクと、甕貯蔵ならではの濃厚で複雑な味わいが持ち味の“鹿児島らしい”麦焼酎。最も相性が良かったのはアメリカ産の「アプリコット」。
「香りが豊かで、先程の白麹のものとは味わいが全く違いますね! 甘みと酸味をバランス良く兼ね備えたアメリカ産のアプリコットなら、この焼酎の美味しさを引き立ててくれます」(小島さん)
「甘みのあるドライフルーツなら何でも合うかと思ったんですが、酸味もあるものでないと合わないですね! やっぱり奥が深いです」(田苑酒造・中森)
個性の強いこの焼酎、先程の白麹と相性の良かった「オクラ」とは全く合いませんでした。麹による風味の違いが大きく影響しているようです。
マリアージュ05
【田苑 芋 】の水割り×【きんかん】
鹿児島育ちの新鮮なさつま芋を使用し、伝統の技と白麹で素材の持つふっくらとした旨みを引き出した「田苑 芋」。田苑酒造の焼酎の中でも、地元鹿児島で一番のシェアを誇るスタンダードです。この焼酎とピッタリだったのは、どこか昔懐かしい「きんかん」。
「これ以外ないです! 実はちょっぴり芋焼酎の香りが苦手だったんですが、これなら美味しく飲めます! 芋焼酎のグッとくる強さに勝てるのはこれですね」(小島屋・関野さん)
「実はきんかんって苦手だったんですが、この焼酎と一緒に味わうと、特有の苦みが消えて甘みが引き立ちます!」(田苑酒造・中森)
マリアージュ06
【田苑 芋 黒麴仕込み】のお湯割り×【生姜糖】
鹿児島産のさつま芋「黄金千貫」のみを使用した、濃厚に芋が香る薩摩焼酎「田苑 芋 黒麴仕込み」。昔ながらの武骨な味わいの焼酎とベストなカップリングだったのは、「生姜糖」。
「お湯割り、おいしいですね! 香りが立つ芋焼酎なので、苦みや辛みといった一癖あるものが良く合いますね」(小島さん)
「生姜湯感覚で飲めておいしい! この焼酎は個人的にはお湯割りがいちばんオススメの飲み方なんですが、黒麹はクセが強くて苦手、という女性でも生姜糖と一緒なら飲みやすいと思います」(田苑酒造・福島)
寒い冬にピッタリのこの組み合わせ、生姜の持つ血行促進効果も女性にはうれしいポイントですね。
マリアージュ07
【五百年蔵(甕貯蔵)】のロック×【マンゴー(フィリピン産)】
焼酎の日本伝来五百年を記念して作られた、特別な芋焼酎「五百年蔵」。創業時より使われてきた大切な甕で十年貯蔵した、柔らかな香りとトロリとした濃厚な味わいがその持ち味です。こちらと抜群の相性を見せたのは、フィリピン産の「マンゴー」。
「マンゴーのトロピカルな香りがプラスされるので、この組み合わせなら芋焼酎が苦手な人でも飲みやすいと思います」(小島さん)
「個人的にいちばんお気に入りの焼酎なんです。ただ、独特の持ち味があるのでドライフルーツと合うのか心配していたんですが、これはピッタリ! マンゴーのフルーティーさが感じられて、甕貯蔵独特のガツンとした味わいがまろやかになりますね!」(田苑酒造・中森)
様々な焼酎とドライフルーツの組み合わせを試した結果、たくさんの発見や驚きがあった今回の大試食会。それぞれの感想をいただきました。
「普段はあまり香りもクセもないものを飲んでいたので、焼酎にはなんにでも合うお酒というイメージがありました。今回、焼酎もドライフルーツもどちらもしっかりおいしくなる、邪魔をしないマリアージュという点に真剣に向き合ってみて、焼酎はとても繊細な奥深いお酒だと思いましたね。おそらく油分感がなく、甘みがしっかりある、この2点が焼酎に合う食べ物のひとつの方向性なのかなと思います。なんとなく飲みがちな焼酎ですが、焼酎に向き合って飲む、というスタイルを小島屋のドライフルーツ片手にワイワイ楽しんでいただけたら嬉しいですね」(小島さん)
「焼酎は、いい言い方をすれば、なんにでも合う万能戦士。言い方を変えれば、なんにでも合うから、これまで相性のいい食べ物を意識しないお酒でした。今回、焼酎の種類や熟成度、飲み方によってこんなにもドライフルーツの味わいが変わるんだと感じ、焼酎の奥深さを思い知らされました。いちばんビックリしたのは、ワインやビールを飲む際には絶対といっていいほど選ばれない「きんかん」と「生姜糖」に合う焼酎がある!ということ。ドライフルーツを引き立てつつ、焼酎自体がさらにおいしく感じるこのマリアージュは、一生心に残る発見でした」(小島屋・関野さん)
「最初、『田苑 金ラベル』と『田苑 ゴールド』はどちらも長期樽貯蔵の麦焼酎なので、合うフルーツは一緒なんじゃないかと思っていたんです。でも結果は全く違ってとても驚きました! きんかんは独特な苦みが苦手なフルーツだったのですが、『田苑 芋』と合わせると苦みが消えて、口の中が甘くまろやかに感じるほど。芋焼酎が苦手な方でも飲みやすくなるので、とてもオススメです!焼酎の種類だけでなく、ロック、ストレートなど飲み方によっても相性が変わるので、ぜひ自分のベストマッチは何かを探しながら、焼酎とドライフルーツのマリアージュを楽しんでもらいたいです」(田苑酒造・中森)
「焼酎とドライフルーツの食べ合わせですが、個人的には『田苑 金ラベル』とデーツの相性の良さにはビックリしました。デーツのまったりとした甘さが、『田苑 金ラベル』の持つ風味も飛ばしてしまうだろう…と思いながら口に入れた瞬間、どちらのおいしさも特徴も引き出しているのが面白かったです!自分の考えとは全く異なったおいしさが生まれたり、これは安全だろう…と思った組み合わせがあまり合わなかったりと、多くの発見がありました!」(田苑酒造・福島)
ベストマッチのドライフルーツは7種類の焼酎でそれぞれ異なりました。どの焼酎も味わいが異なり、固有の魅力があるからこそ、の結果ですね! しかしながら、マンゴーやリンゴ、レーズンはどの焼酎でもベスト3までに挙がることが多く、全体的に甘み、酸味、そして香りのあるものが焼酎とは相性が良い、という傾向がみられました。
また、原材料や麹の種類だけでなく、ロックやストレートといった飲み方によっても相性が変わってくるのは大きな発見。これはほかのお酒にはない、焼酎ならではの楽しみですよね。
想像以上に奥深かった焼酎とドライフルーツの世界。今回の検証結果を参考に、あなたも自分だけのベストマッチを見つけてみませんか?
●取材協力
上野アメ横 ドライフルーツとナッツの専門店 小島屋
http://www.kojima-ya.com/
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