「金ハイ」藤村スペシャルと、それによく合う創作料理をいただきます! ③
2019/12/23
お家で焼酎を飲んだあと、微妙な量が余ったボトルが放置されっぱなし…。こんな状況に覚えがある人は案外多いのではないでしょうか? もちろん、そのまま飲んだり、割って飲んだりしてもよいのですが、それ以外の方法も知りたい! 今回は、トータル飲料コンサルタントであり、ソムリエの友田晶子さんに焼酎活用法を教えてもらいました。
鹿児島に伝わる郷土料理の「豚骨」をご存知でしょうか? これは豚の骨付き肉を味噌煮込みにしたもので、豚の角煮のような料理。桜島大根やニンジン、こんにゃくも入った豪快な料理ですが、焼酎を多めに振りかけるのもポイントとなっています。
「豚骨は、ほろほろと煮くずれた肉がおいしいのですが、これは焼酎に肉の線維を柔らかくしたり、臭みをとる働きがあるためといわれています。もちろん豚肉だけではなく、鶏肉や牛肉、魚を煮込むときにもおすすめですよ」(友田さん)
焼酎の風味もついて、おいしく仕上げる効果がありそうですね。
イギリスのフィッシュアンドチップスの白身魚のフライの衣にはビールが使われています。これにはアルコールの沸点の低さを利用して、衣をサクッと揚げる効果があると友田さん。
「焼酎もビールと同じアルコールなので、天ぷらやフライの衣に入れると、水を入れるよりもサクサクと仕上がります。焼酎の風味でいつもの揚げ物も変化が出て、新しい発見があるでしょう」(友田さん)
日本酒やワインをさまざまな料理の漬けだれの素材として利用したことのある人は多いはず。同じように焼酎でも漬けだれを作ることができます。
「初めてでどんなふうに作ったらいいかわからないという人は、市販の焼肉のたれに焼酎を入れて、そこからアレンジしてみるのがおすすめ。醤油や味噌、辛味のある調味料などを加えて、好みの味をつくってみてください」(友田さん)
肉や魚を焼く前につけるのはもちろん、お刺身や丼のソースのように利用してみてもよいでしょう。焼酎の風味がいつもと違う味に仕上げてくれます。
肉や魚を調理するとき、血などが付いて気になるときがあります。そんなときは、「焼酎で洗うのがおすすめ」と友田さん。
「焼酎で洗うと、血も落とせますし、臭みも消え、アルコールの殺菌効果できれいになります。漬けだれや煮込み料理に使われたことからもわかるとおり、焼酎ならではのまろやかな風味がつけられるのも一石二鳥」(友田さん)
塊で買ってきて、いろんな部位に切り分けた後に血がついてしまったときに利用したいですね。
梅雨の時期に生えたカビにエタノールを吹きかけて消毒した経験はありませんか? エタノールはアルコールの一種で、アルコールにはカビの発生を防ぐ効果があります。
「そこで、冷蔵庫に焼酎をしみ込ませたスポンジや焼酎を入れたディップ容器を置いてみましょう。庫内の食品にカビを生えにくくする効果があります。これはアルコールの揮発性を利用したものなので、冷蔵庫のようにある程度、密閉空間に置くのがポイントです」(友田さん)
ただし、焼酎を入れているのを忘れて、こぼしてしまわないように注意してくださいね。
焼酎は飲んで楽しむほかにも、その風味を活かして料理や下ごしらえにも使えることがわかりました。お酒を料理の隠し味に入れると、そのお酒とのマリアージュの相性がよくなるとも言われるので、焼酎を飲む日にあえて料理に使うものいいかもしれません。ぜひ一度、試してみてください!
<取材協力>
友田晶子
トータル飲料コンサルタント。業界30年以上のキャリアと女性らしい感性を活かし、酒と食に関する一般向けセミナー、イベントの企画・開催、輸入業者や酒販店・料飲店・ホテル・旅館などプロ向けコンサルティングを行っている。
SAKE女の会
今回、取材協力いただいた友田晶子さんが主宰する、さまざまな酒を愛する人の会。鹿児島で焼酎の乾杯ツアーや料理と酒の相性を学ぶ講座など楽しいイベントが盛りだくさん。男性でも入会できるので、興味のある人はホームページをチェックしてみてください。
http://omotenashi-sakejo.com/
関連キーワード