
同じ原料でもこんなに違う!麦焼酎のひみつ
2022/07/25
鹿児島県霧島市溝辺町。鹿児島空港のほど近く、山あいの細い道を何度か曲がった先に、その畑はあった。広さは、およそ1,800㎡。その一角にあるビニールハウス内で、パクチーは育っていた。訪ねたのは、2017年の4月下旬。その時は試作も兼ねていたため、パクチーを作っていたのはおよそ500㎡のみ。やがては1,500㎡がパクチー畑になるそうだ。
田苑酒造が2017年6月に発売した“パクチーすぴりっと”。ここで育てられているのは、このお酒で使っているパクチーだ。
「何か面白い、みんなの度肝を抜くお酒を造ろう」という意向を受けた杜氏の岩元。「インパクトのある、パンチのあるお酒って何だろう? どんなお酒を造ればいいんだろう?」と考えあぐねていた。そんな時、偶然出逢ったのが、水餃子に入っていたパクチー。あの独特の強い香りと風味を、むしろ好んで食する人たちが増えて始めてきた頃だった。
岩元は「これだ!」と思い、生産者を探した。期待に応えてくれる農家はなかなか見つからなかった。あきらめかけていた時、これまた偶然、知人に紹介されたのが、ここで畑作りをしている有村啓太さんだった。
有村啓太さんは鹿児島県で初めて、無農薬でイチゴを栽培したことで知られる。そして、現在も唯一、無農薬で栽培を続けている生産者だ。イチゴ以外にも作っている野菜は約100種類。そのすべてを無農薬で作っている。有村さんは無農薬栽培の定義に一家言持っている。
「農薬を使わないことだけが無農薬栽培ではありません。作物に病気や虫が出たら捨てる、というのも違うと思います。何が起きても、それに対処してこそ、無農薬栽培。私の場合は、作物の免疫力を高めるようにしています。」
有村さんがパクチーを栽培するのは、今回が初めて。試験的に育てているとき、病気が出たそうだ。その時は、どう対処したのだろう?
「かねてから付き合いのある鹿児島市内の納豆メーカーと共同開発した農業用納豆菌を使ってみました。ほかの作物で実績があったからです。パクチーでもうまくいきました。」
有村さんが「これならパクチーも無農薬でいける」と確信した瞬間だった。
コンパニオンプランツも試している。育てたい野菜のそばに植えることで良い影響をもたらす植物のことだ。パクチーに付く虫が嫌う作物を隣に植えようと、もっか実験を
重ねている。
“パクチーすぴりっと”の パクチーを作っている畑を訪ねた。 その2へ続く
有村さんの育てたパクチーを惜しみなく使用した『パクチーすぴりっと』がついに完成!
そのパンチのあるおいしさが、 麦焼酎として味わえます。
ご興味のある方はぜひ下記サイトをご覧ください。
→『パクチーすぴりっと』についてはこちらから
【特報】朝日新聞のデジタル版で『パクチーすぴりっと』が紹介されました!
こちらも是非ご覧ください。
→朝日新聞 記事『パクチー臭全開のスピリッツ 香り苦手な女性杜氏が奮闘』はこちら
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Kura Master 2021 プラチナ&審査員賞、TWSC 2020最高金賞、LAISC金賞受賞。琥珀色の輝きの中に立ち上がる柑橘系の華やかな香り。全量3年貯蔵酒ならではのまろやかさ。原料の特性とオーク樽に由来する甘さが絶妙にマッチして、フルーティな味わいを醸し出す。そして、じわりと広がって深く余韻を残すのは、他に類をみない、はじめての味。
ENVELHECIDA(エンヴェレシーダ)とはポルトガル語で“貯蔵”を意味します。
【日本百貨店協会会長賞受賞】クラシックの名曲をモチーフに、5つの香りと味、ボトルやパッケージまでトータルにデザインされた、音楽仕込の田苑ならではの全く新しい焼酎セット。りんご、なし、メロン、バナナ、マスカット…フルーティな香りを生みだしたのは、ワイン酵母と清酒酵母。焼酎造りでは考えられない方法を試行錯誤した末に、この、甘く、華やかに香り立つ新しいお酒ができました。音楽好きの方や、女性におすすめの飲み比べセットです。
詳しく見るオーク樽の中でゆっくりと時間をかけて熟成した原酒は、かつてないまろやかさと深い味わいを醸しました。全量3年貯蔵、樽貯蔵、音楽仕込みといった田苑酒造の技と粋を惜しみなく注ぎ込んだのが、この田苑 ゴールド。バニラのような香り、重厚で力強さがありながらも、まろやかさがあり、飲んだ後もしばらく余韻が続く、深い味わい。樽貯蔵ならではの黄金色の輝きも、エイジングスピリッツの頂を目指した証しです。
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